2023年2月3日、ツイッターにおいてアカウントが大量に凍結される騒ぎがあった。昨年ツイッターを買収したイーロン・マスク氏の体制下における、BOTアカウントの対策の一環とされている。
凍結騒ぎの中、フォロワーのアカウントの安否確認のためにフォロー数の増減を確認したところ@Pentaprism_infoというアカウントが凍結されていたことに気づいた。
https://twitter.com/pentaprism_info
(リンク先凍結済み)
「ああ、このグループはもうツイッターアカウントすら存在しないんだな」という寂しさと、自分が過ごしたあの数か月間は何だったのだろうという思いになり今回筆を執った。
ネットを通して膨大な知識の電波は無限に広がっているが、元データが削除されてしまえばその記録は永遠に葬り去られてしまう。
今回はかつて存在した#ペンタプリズムというアイドルについて、歴史の彼方に消えてしまう前に備忘録として記しておきたい。
(このユニットの後の方から現場に参加した人間なので、内容に誤り等ありましたら許してください)
#ペンタプリズムとはなんだったのか?
「2021年5月活動開始。
アイドルの輝く瞬間を映し出す。
あなたときらめく、女の子の青春ストーリー。」
公式サイトのウェブアーカイブより
https://web.archive.org/web/20220119105255/https://www.code-r.info/pentaprism/
#ペンタプリズムは、2021年5月から2022年4月5日まで活動した日本の女性アイドルグループである。(ウィキペディア風) (別にウィキはない)
6人体制時のアー写
グループ名の由来は一眼レフカメラのファインダーに用いられる5角柱形のプリズムで、当初5人体制でスタートしたことからこのグループ名になったとのこと。
余談ではあるがリコーの一眼レフカメラのブランド名である「PENTAX」と同じ由来となる。
コンセプトの”あなたときらめく、女の子の青春ストーリー。”の詳細はあんま分からない感じだったが、まあそういうタイプの曲が多かったような気はする。
メンバー
せんす
【大切なお知らせ】
— せんす❤️🔥 (@SSSS_sensu) 2021年4月20日
平素よりお世話になっております。
この度、『#ペンタプリズム』に加入する事になりました。
声優、舞台、モデルなどこれまで以上に幅を広げて活動致しますので、これからもよろしくお願い致します。
より多く皆さんと会える機会を作りますので、お待ちしておりますゾ!
せんす pic.twitter.com/1NS7EYbcGy
せんす❤️🔥 (@SSSS_sensu) / Twitter
担当カラー レッド
2021年11月27日卒業
唯一活動終了前に卒業したメンバー。
なの.com
この度ペンタプリズムでアイドル活動をすることになりました!!!!
— 雛なの🍣 (@nano_cats0923) 2021年4月16日
なの改め、なの.comです🍣
ピンク色担当になったよう
まだまだ未熟者ですがアイドルとして成長していく姿を見守ってくれると嬉しいです⸜( ´ ꒳ ` )⸝! pic.twitter.com/zcfpnZFrbB
雛なの🍣 (@nano_cats0923) / Twitter
担当カラー ピンク→水色
2023年2月現在すてねこキャッツの雛なのとして活動中。
道弐まよい
当時のツイートないのでソロチェキあげておく
担当カラー ホワイト
#ペンタプリズム解散後の2022年6月4日よりポスタルジアのメンバーとして活動。2022年9月23日をもってグループ活動終了。
2023年7月よりドラマチックレコードの金子いちかとして活動中
犬飼ことり
犬飼ことり🐾 (@piichandesu__) / Twitter
担当カラー ゴールド→紫
2020年10月〜2021年5月までアルテミスの翼のセイレーン・コトリとして活動。2021年5月より#ペンタプリズムで活動。
2023年3月末より純情のアフィリアの楠本コトリとして活動中。
天乃かなた
こちらも当時のツイートがないので好きなチェキで載せておく
かなたちゃん 2/18 チェキ会 (@srnknt_3) / Twitter
担当カラー 青
推しです
汐咲玲亜
初めまして、お久しぶりです#ペンタプリズム 新メンバー 黄色担当 汐咲玲亜です。@Pentaprism_info
— 汐咲玲亜【モユルハル】 (@reia_moyuru) 2021年8月27日
よろしくお願いします☺️🌻 pic.twitter.com/3B6WNRqvZz
汐咲玲亜【モユルハル】 (@reia_moyuru) / Twitter
担当カラー 黄色
2021年8月27加入
2013年3月~2018年までFES☆TIVEで活動。
2022年8月からモユルハルのメンバーとして活動。(2023年3月に活動終了)
2023年6月よりえすれあるのメンバーとして活動中
上記6名で#ペンタプリズムであった。
天才デザイナーまよいちゃんが最後の方に作ったフライヤー
曲
多分下記の6曲だったと記憶している
・Landscape
・うぶこい!
・ハジマリノナツ
・キラメキ
・閃光リフレクション
持ち曲は6曲だがサブスクなんてものはないので、楽曲がYouTubeなどの動画しか残っていないし、コイゴコロに関しては動画も残っていないのでオタクが古典落語のように口伝で残していくしかない状態となっている。
対バンだと待ち時間15分とか20分なので、だいたいこのうちの3~4曲が披露される。
4曲なのにライブの時に何やるか忘れるので、手にセットリスト書いてるメンバーいたのが可愛かった。
私は閃光リフレクションという曲が、2000年代の美少女ゲームかロボットアニメの主題歌みたいな上にラスサビ半音上がるから好きだったんですが、別にこのグループは「ゼロ年代の思い出に浸るオタク向けのアイドル」ってコンセプトではなかったので、異端の曲だったとは思う。
某メンバーが言ってたけど「#ペンタプリズム ゼノグラシア」って感じ。
ライブ動画等はYouTubeにもあるので適当に確認してほしい。
上がってる動画、俺が行き始める前だから全然知らんし振り付けも変わっているはず。
閃光リフレクションが入ってる貴重なライブ動画
#ペンタプリズムの何が凄かったのか。
メンバーがかわいい
まあそれはそう。
控えめに言って割とレベルは高いほうだったのではないかとは思う。
チキンはメンバーに入りますか?
崩壊した物販システム
#ペンタプリズムを語るにあたって、一番大きなポイントは物販の商品設定がめちゃくちゃだったことである。正直このシステムを記録に残しておくために記事を書いたといっても過言ではない。
主な物販商品一覧
チェキ券(1000円~2000円)
サインなしチェキ券1枚1000円
サインありチェキ券1枚2000円
チェキ券に関してはどこのアイドルでもほぼ変わらない、いたってシンプルなシステムである。
あと新規無料もあった。
新規無料で撮った時のなのちゃん。
だが下記の商品によって、ペンタプリズムの物販は複雑怪奇な様相を見せはじめる。
プリズムのかけら
プリズムのかけらとは上の写真のカードである。
(昔は特典券として使ってたらしい)
物販にて、チェキ券以外の商品を購入すると1000円ごとに1枚もらえる。また入場特典でもらえたりする。
この券があると1枚で写メ、2枚で白チェキ、3枚でサインチェキを撮ることができる。
いわばおまけの券のような物なのだが、このプリズムのかけらの存在こそが、難解かつ完全に崩壊した物販システムの大きな要因となるのだ。
ブラックライト当てると光るかけらと輝きを失ったかけらが存在した。
ランチェキ(1000円)
一般的な地下アイドル現場の物販においてランチェキという商品は、だいたい2種類に別れている
・箱の中にチェキが入っており、引いたソロチェキがもらえる。
・ランダムでメンバーとチェキが撮れる
というところが多いと思われる。
ところがペンタプリズムにおけるランチェキは、ランダムで引いたメンバーのソロチェキがもらえ(1枚目)、その後当該メンバーとチェキが撮れる(2枚目)という変則的な制度であった。
左(1枚目)で引いたメンバー(ことりちゃん)のチェキが貰えて、そのあと右(2枚目)のツーチェキが撮れる。かわいい。
1000円で2枚もらえるだけでもお得感はあるのだが、それに加えて引いたランチェキにサインが書いてあった場合、撮るチェキにもサインしてもらえる。そしてトーク時間はサインありチェキの時間分もらえるのだ。
右(サインありのかなたちゃん)を当てると左(サインありのツーチェキ)が撮れる。かわいい。
つまりランチェキを購入して上手くサインありを引けば、手元にはサインチェキが2枚手に入る。そしてランチェキの中にはサインチェキが結構な割合で入っていたのである。
また、このランチェキは上記のプリズムのかけら配布対象なので、上手く推しのサインありを引いた場合、
サインありのソロチェキを貰える+サインありのチェキが撮れてトークができる+かけらを使用して写メが一枚撮れる(これもトーク付き)
というワンセットが1000円で行えてしまう、完全価格崩壊の制度であった。
一応このランチェキ制度はプレデビュー期間限定であったらしいが、#ペンタプリズムは私が知る限り最後までプレデビュー期間であったため、活動終了まで廃止されることはなかった。
私はこの制度で推しのランチェキを自引きしまくったおかげで、通常のチェキ券を購入することはあんまり無かった。
ペンタプリズムで引いたランチェキ整理してるけど、俺がかなたちゃん引く率、本当に飛び抜けて異常な数値で笑う。 pic.twitter.com/6M46AqRgLF
— ロリンザーユーザー (@lorinser_user) 2022年3月21日
統計学上の偏り
追記:初期は一応購入枚数制限があったらしい。
ポイントカード(1000円)
来場時にポイントを貯められるポイントカード。
ポイントカード制度自体は多くのアイドル運営が導入しているところだと思うが、ペンタプリズムの凄まじいところは、ポイントカードが1枚1000円での販売制であった点である。なおこれもプリズムのかけら配布対象なので、ポイントカードを1枚買うとプリズムのかけらが1枚貰えた。
しかもこのポイントカード、グループが終わりになる時期の近くまでレギュレーションが決まっていなかった。
そのためこのポイントカードを貯めていたオタクは、使用用途がわからないポイントカードを1000円出して購入し、8現場ごとに買い足していたのである。
一応最後の方にレギュレーションが決まったのだが、それも物議を醸した。
一番大きな特典である写真集を目指してポイントを100枚集めようとすると、8現場×100枚なので800現場必要になる。#ペンタプリズムの稼働は多かったので月に25現場ぐらいあったが、全通したとしても2年半以上かかる。
またお金の面でも一回の現場をドリンク代含めて3000円で単純計算すると240万円となり、有料のポイントカード代10万円を含めて250万円になる。毎現場チェキなどで別に費用が掛かるので多分そのまままとまった金持っていって事務所に写真集を打診したほうが早かったと思う。
実質頑張ってためても10枚ぐらいまでしか使い用がなかったのではないだろうか。自分は囲みチェキで使った。
スタンプできる前は#と日付書くだけだったから偽造しようと思えば出来たとは思う。貯めたら1000円かかるからやらんけど。
よくポイント2倍デーみたいなのがあったので、本当に一回で1ポイントしか貯まらないということではなかった。
まとめ
物販のシステムを見ていただいてわかるように、たぶん運営体制もめちゃめちゃだったとは思うのだが、ネットの番組をやってたりそれなりにでかいフェスに出たり、SNSに広告が出てたり、謎にプッシュされていたっぽい。
これどうなったんですかね。
通ってたオタクがいっぱいいたわけではないので、メンバーみんなと仲良くさせてもたったし、最後の方に担当してたマネージャー(かわいい)にも良くしていただいて、(内輪ノリと言われればそれまでだが)まあ居心地はいい現場だった。
オタクサイドから見える範囲見えない範囲含めて、多少いろんなことはあったとは思うが、コロナ禍でアイドルから遠ざかってしまっていた自分としては、気を張りすぎないいい規模感のグループで楽しかった。
小池百合子も絶賛(してくれると思う)、指ハート風東京都シンボルマーク。
なんか流行ってた。
そろそろグループなくなってから一年近くなるので思い出を振り返るにはちょうど良いタイミングで記事を書けたかなと思う。
オタクやスタッフやメンバーがいつかこの記事を見つけて、この時期はこんなことをしてたなあと話のネタにでもしてくれれば幸いです。
あとこの記事書く時に公式アカウントがないので記録が辿れなかったり写真が引用できなかったり色々ややこしかったので、もし可能ならやっぱり公式アカウントの凍結解除申請してほしい。(マネージャーへの私信)
2022.04.05 #ペンタプリズム 現体制終了ラストライブ pic.twitter.com/Iex38u6bMG
— ぺんぷりちゃんのまねーじゃー (@_prizmprizm) 2022年4月13日
公式垢が無くなったのでマネージャーアカウントで締め。
オタクもメンバーもスタッフもみんな末永く元気にしてたらうれしいね。