日々ろりろり 2nd season

限りなき 推しと空とのただなかに 小さきものの何を争う

政治家追っかけ入門マニュアル

 

 毎度お世話になります。

 今回は政治家オタクの自分が趣味としてやっている政治家の追っかけ方に関して記事にしました。(政治家とは書いてますが取り上げているのは主に国会議員です。地方議会ファンの方すいません)

 記事の内容は自分なりの追っかけ方ではありますが、これから政治家を追っかけたいという方(いるのか?)の参考になればと思います

 なお当記事はできるだけ党派性は出さないように書いているつもりではありますが、筆者の考えが所々に出てる可能性はありますのでそこはすいません。

 

 

蓮舫辻元清美に挟まれる手塚仁雄(立憲民主)

政治家オタクになると応援に来た議員や司会者にも注目することになります。

 

 

政治家を追っかけるメリット

 まず政治家を追っかける大きなメリットとして、お金がかかりません。

 もちろん政党の党員やサポーターになったり、議員の後援会に入ったり、政治資金パーティーに参加する場合はそれなりの金額がかかりますが、選挙期間中に政治家の演説を見に行くだけであれば交通費以外全くお金がかかりません。その点はアイドルや役者・声優、Vチューバ―に推し活するより経済的であるといえます。

 

 また政党党首・幹部クラスの大物政治家を推すと、日常的にテレビ等のメディアに登場するので、推しの普段の動向がわかりやすいという点もメリットです。

 最近では各政党議員のSNSでのPRも活発ですので、ネット上でも気に入った議員・政党をウォッチしやすいという点もメリットとしてあります。毎日のようにいろんな人が燃えてるので、政治家側にとってはメリットになってるのか分かりませんが。

 

 デメリットとしては、街頭演説は選挙期間中に行われることがほとんどなため、選挙がない時期には推しの生の姿を見る機会が少ないということが挙げられます。ただ上述のSNS等で応援することも可能ですし、普段の国会中継やニュースの中でリアルで会ったことのある政治家が映ったらちょっとテンション上がります。

 

若者向けに作ってて結構ウケてる公明党Tiktok

www.tiktok.com

 

Twitterで時々料理を作りながら政治についてぼやく山下芳生(共産)

 

群馬の公園で「インスタのファンです」つったら爆レスくれた中曽根康隆(自民)

https://www.instagram.com/yasutaka_nakasone/

 

 

政治家を追っかける≠政策を支持する・投票する

 「政治家を追っかけて特定の政治思想を持っていると思われるのはちょっと……」と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこらへんは有名人を追っかけるのと同じような認識でいいと思います。別に握手したからと言ってその候補に投票する義務はありませんし、演説を聞いたり政策等を読んだ上で賛同できないと思えば投票しなければいいです。

 また投票自体に関しても、政治家オタク的にはお祭りみたいなもんなので、行った方が楽しいかとは思いますが、選挙区内に支持できる候補がいないと思えば、別に白票でも棄権でも何でもいいと思います。

 というか日本の選挙制度は、例えば衆議院選挙では小選挙区比例代表並立制ですから、選挙区外まで政治家を追っかけて「いいな」と思った候補者がいても、その政治家個人への投票権が無いなんてのは日常茶飯事です。例えば自分が中野区(東京27区)に住んでいて、出かけた帰りに新宿駅東京1区)で候補者の演説を聞いたところで、その候補者個人への投票権はありません。全国的に個人名で投票できるのはせいぜい参議院比例区の候補者ぐらいのものです。

 また、党の考え方には賛同できないが、候補者個人の考え方や人柄は支持できるので応援するということも否定されるものではないと思います。考えてみてほしいのですが、選挙で投票する際に政党や候補者のすべての考えに隅々まで賛同して投票しているという人は、そもそもの支持者とか支持母体に属している人とか以外にほとんどいないと思います。それこそ個別の政策に関しては、党内でも個々によって考え方が分かれている場合もありますし、政策がすべて合致する人を究極まで掘り下げてしまうと、それこそ自分が立候補するしかなくなるので。

 

 政治家を追っかける動機なんて「どれ、ひとつ次の選挙に興味があるので見に行ってみるか」「テレビで見たことのある政治家が来てるらしいし見に行ってみるか」ぐらいの考えでいいと思います。

 そのレベルから始まらないとこの趣味の敷居、高すぎるので。

 

 

政治家の追っかけ方

選挙期間は各党ホームページをチェックしよう

 大型選挙期間に限るのですが、首相、大臣や各党幹部クラスの大物議員の演説日程に関しては、おおむね各党が設けている選挙特設ページにて演説日程をまとめているケースが多いので、まずは各党のホームページから調べてみるのがいいでしょう。

 一例として2021年の自民党の特設サイトをご覧ください。

www.jimin.jp

 後述する事件の影響から政府首脳・高官レベルの演説予定に関しては直前まで公表されないケースが増えていますが、今後も基本的には各党とも大物議員の演説に関しては公式サイトでの告知で動向を知ることができると思います。

 また場合によっては各政党の地方都道府県連のホームページ上にて演説日程が記載されている場合もあります。

 

X(旧Twitter)をチェックしよう

 候補者が大物議員でない場合は、上記の演説日程で調べてもまず出てきません。その場合個人のX(Twitter)をチェックしに行くとその日の演説日程がポスト(ツイート)されていることが多いです。

 ここで一つ注意点なのですが、各議員の演説日程はツイートの文章ではなく、画像でツイートされていることが多く、例えば「〇〇駅 街頭演説」とかで検索をかけても出てこないケースが多いです。その場合、候補者個人のアカウントまで行って確認する必要があるため少々面倒になります。また候補者は自分が戦っている選挙区をユーザー名に入れていることもあるので、「東京〇〇区 街頭演説」のような調べ方もできますが、それでも結構面倒ではあります。

 例を挙げるとこのようなケースです。

 政治家オタクにはおなじみの「無敗の男」こと中村喜四郎元建設相(この選挙で負けて比例復活)を見に行った際には、ツイッター上に上記の街頭演説スケジュールしか情報しか上がっていなかったので、日程と選挙区内の地図を調べて、古河駅近辺の公園で演説することがわかり、現地まで出向きました。

 

バイクから颯爽と降りてきた中村喜四郎(立憲民主)

 

主要駅の駅頭で待ってみる

 特定の見に行きたい候補がいない場合や、演説日程がわからない場合、選挙期間中は主要駅の広場的な場所に出向けば誰かが演説している可能性がありますので、そこを狙うことも可能です。

 都心で言うと新宿駅だけでも南口前・東南口広場・西口地下広場・東口アルタの前などいろいろあります。(アルタ前は政治家より普段から政治団体が使っていることが多いイメージですが)ほかにも渋谷ハチ公前や新橋SL広場、池袋駅東口前など人の往来が多いところでは政治家の演説が行われることが多いです

 

新宿駅東南口にいた枝野幸男(立憲民主)

 

 また駅頭で定期的にビラ配りをしている政治家もいます。野田佳彦元総理大臣などはその筆頭で、毎週選挙区内の各駅頭でビラ配りをしており、その日程も公開しています。

駅頭日程 – 衆議院議員 野田よしひこ

 

 なんにしても都市近郊の選挙区においては、駅頭というのは候補者に巡り合うチャンスです。対して郊外地域においては、演説場所が国道沿いの大型ショッピングモールの駐車場とか農協等の会館前などということも少なくなく、追っかけをするには結構ハードルが高かったりします。

 

 

街頭演説では何をすればいい?

演説を聞く・政策ビラを読む

 街頭演説は政治本人が政策を語る場ですから、耳を傾けましょう。また本人やスタッフが政策を書いたビラ(マニフェストって言い方は死語になって久しい)を配っていることも多いですので、それを読んでみましょう。

 ある程度演説時間に余裕があるような場合では、演説の中で候補者本人の生い立ちや人柄が聞けるケースもあります。政治家をより身近な存在として感じることができるかもしれません。

 人によっては質問タイムなどを設けて個別の政策に関して意見を交換できるケースもあります。

 (あと、ほかの聴衆の方の聞く権利を侵害しないように、基本的には演説中には野次らない方が良いとは思います)

 

 また、テレビで取り上げられる政治家の言動は、外交・経済などの大きな話になりがちですが、街頭演説に行ってみると地域の話や細かい政策の話など、「おっ」と思わせる話もあります。

 私自身の体験としては、ある議員が脳出血車いす生活になり障がいの当事者になったことで初めて「点字ブロックが実は車いす生活者にとっては乗り越えなければいけない障壁であることに気づいた」という話が印象に残っています。この辺の話は当事者の方や当事者の周りで生活している人々にとっては、先述の大きな話よりも印象に残るかもしれません。

 こういった、実は政治が取り組まなければいけない身近な課題に対する政治家の考え方を聞ける場としても、街頭演説は貴重な場といえると思います。

 

政治家(候補者)本人と触れ合う

 可能であれば候補者本人と握手やグータッチをしたり、ツーショットなども撮れます。

 選挙期間中は基本的に忙しく演説日程が組まれていますが、余裕があれば候補者本人と話すことも可能です。下の写真の赤松健参議院議員(撮影当時は当選前)の演説会に参加した際は、赤松氏本人から今後の選挙戦略の意見をぜひ伺いたいとの話で演説後に10分程度話す機会がありました。

議員になる前の赤松健(自民)。政策集くれた。

 

応援演説にも注目してみよう

 演説では候補者のほかに応援演説として他の国会議員が参加することもあります。応援演説には選挙が強く知名度もある党幹部クラスの議員が入ることが多いですので人も多く集まります。

 それ以外では、たとえば衆院選では同じ党所属の参議院議員、逆に参院選では衆議院の議員など、自分が選挙戦を戦わなくていい場合には積極的に応援に回ります。その他大物の元議員や地元首長などが応援に入るケースもあります。

 また演説会の司会進行を務めている人が実は国会議員や地方議員だったというケースも結構ありますので、演説者の周りにいる人にも注目してみると楽しいです。

 

越智隆雄(自民)の応援演説に入る松野博一官房長官

 

一般人は中央の野田元総理に気を取られて、右に大串博志奥野総一郎の2名の衆議院議員がいることに気づかない。

 

党の顔として応援に引っ張りだこの国民民主党のこくみんうさぎと榛葉幹事長と竹詰仁参議院議員

 

政治家の演説が持つ意味

 

最後に、議員各位に訴えます。

政治家の握るマイクには、人々の暮らしや命がかかっています。

暴力にひるまず、臆さず、街頭に立つ勇気を持ち続けようではありませんか。

民主主義の基である、自由な言論を守り抜いていこうではありませんか。

真摯な言葉で、建設的な議論を尽くし、民主主義をより健全で強靱なものへと育てあげていこうではありませんか。

こうした誓いこそが、マイクを握りながら、不意の凶弾に斃(たお)れた故人へ、私たち国会議員がささげられる、何よりの追悼の誠である。

私はそう信じます。

――野田佳彦元首相による安倍晋三元首相の追悼演説より引用

 

 政治家の街頭演説について語るとき、安倍晋三元総理の銃撃事件は避けて通れない話題でしょう。私自身、この事件には強い衝撃と憤りを感じましたし、候補者本人と有権者・国民が直接触れ合うことができる日本の選挙の形が変わってしまうという危機感も覚えました。そうであるからこそ、事件の翌日から、各党の候補者が街頭演説に立つことを選んだ姿に、政治家の「命を懸けてでも政策を伝えなければいけない。政策を広げていかなければならない」という覚悟を感じました。

 また2023年の衆議院補欠選挙時には岸田総理の演説中に爆弾が投げ込まれるという事件も発生しました。しかしこの後、岸田総理は予定を変更せず、次の街頭演説を続けました。

 岸田総理の政策に対しては様々な意見があって当然かと思いますが、民主主義の根幹である選挙に対する暴力に自らが街頭に立ち続けることで対抗するという姿勢は、日本国の総理大臣として、称賛に値するものであったと個人的には思っています。

 

 政治家のマイクから発せられる言葉は、国民への思いであったり、支持者の思いの代弁であったり、自らの信念やプライドであったり、今の政治への失望から生まれる怒りであったり様々です。だからこそ、政治家の街頭演説にはそこにしかない熱意が込められ、魅力的に映るのではないかと政治家オタク的には思っています。

 

おわりに

 日本では衆院選参院選以外にも都道府県知事選挙、市区町村長選挙、あるいは地方議員選挙と、様々な選挙が行われています。

 あなたの身近で行われている演説に足を止めてみて、今まで遠い存在だと感じていた政治家の姿を見ることで、何か見えてくるものもあるのではないかと思います。

 

 思いのほか長いブログになってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 これから政治家に注目してみようという奇特な趣味の方々への招待として当ブログを活用いただければ幸いです。